単位の換算(ジュールとカロリー)

意外と混乱するのが単位の換算です.実は僕はよく分かってませんでした(ぉぃ.手短に話そうと思います.よろしくお願いします.

カロリーとジュール

さて,

1 \mathrm{cal}=4.2 \mathrm{J} \tag{1}

です.ここで, a \mathrm{cal} が, b \mathrm{J} だったとします.

ついやってしまう間違いが,

4.2 a \mathrm{J} &= 4.2 \mathrm{J/cal} \times a \mathrm{cal}  \\&= b \mathrm{J} \tag{2}

ではないでしょうか?この式からは,

4.2\mathrm{J/cal} \tag{3}

が比例係数に見えますが,それは間違いで,この値は1です.式 (1) からは, 0.24=\mathrm{J/cal} となるからです.

正しくは,等式の置き方を次のようにします.

a \mathrm{cal} &= b \mathrm{J} \tag{4}

両辺を \mathrm{J} で割ります.

a \mathrm{cal/J} &= b \tag{5}

ここで式 (1) から, \mathrm{cal/J}=4.2 ですから,

4.2 a &= b \tag{6}

となるのです.

物理量とは

僕が大学生の時に習ったことは,物理量とは,(数値)×(単位)という形式を持っているのだそうです.そして,単位の変換時には,(単位1)/(単位2)(×(単位2))が次元を打ち消しあい,無名数の数値(単位の示す数値の比)となるのです.例えば,長さで言えば, m/cm=100 です.

間違えた部分はどこか?

最後に式 (2) は,どこで間違えたか指摘をしておきましょう.実は,式 (2) は,無名数であるべき値が単位を持っていることは,おかしいですが,等号で結ばれる関係は正しいです.正しい式 (6) の両辺にジュールを掛ければ, (2) ですよね.

まずかったのは,式 (3) の解釈です.正しくは,式 (2) の中辺の \mathrm{J/cal} という「単位の比自体が値を持っている」ので,正しくは 0.24=\mathrm{J/cal} ですから,式 (2) の中辺の前半部分は,式 4.2 \mathrm{J/cal}=1 となります.つまり,中辺の値は a \mathrm{cal} となります.よって,これは b \mathrm{J} に等しいわけです.しかし,それにしても,式 (2) の中辺の前半部分は紛らわしいです.それはあたかも,単位 \mathrm{J/cal} をもつ,比例定数 4.2 という風に見えるからです.これは表記の問題であって,まったくのデタラメです.