ダランベールの原理

運動方程式 $ ma=F$ をちょこっと変形してやると

$\displaystyle F-ma = 0$    

という形になる.これをただ単に移行しただけとは思わず, $ F$ という力と $ -ma$ という力がつりあっていると考える. この $ -ma$ という力を慣性力という.慣性力を導入して, 動力学の方程式を静力学の問題と考えることを ダランベールの原理という. 束縛力 $ S$ も含めて仮想仕事を考え,

$\displaystyle (F+S-ma)\,\delta x = 0$    

と書くこともある.自由度が増えたらそれらを足し合わせればいい.

$\displaystyle \sum (F_i+S_i-m_i\ddot{r}_i)\,\delta r_i = 0$    

ダランベールの原理は座標系が直線方向に加速したときに働く. 電車が急に止まってコケそうになるあれ.

物理のかぎプロジェクト / 平成18年3月2日