三角関数の微分1 でイメージをとらえたので,今度は解析的に公式を導いてみます.それには導関数の定義

を使います.この定義から素直に考えるだけです.
導関数の定義において,
を
に置き換えると

です.ここからどうしたらいいでしょうか. 三角関数に慣れている人なら,つぎの公式が思い浮かぶでしょう.

三角関数同士の足し算を積にする関係式です.微分積分の計算では, 三角関数の足し算を積に変えたり,その逆をしてみるとうまくいくことが多いです. というわけで積の形に変形してみます.

したがって,導関数の定義の式は

となり,分子が積の形になりました.分母分子を2で割ると

ここで
の極限にもって行けば導関数が得られます.
のとき
になるのはいいですよね.
分子がゼロになるのだから分数全体でもゼロです.ですから

です.
の方の極限ですが,

となるのは良いでしょうか. この証明ははさみうちの方法で行いますが,ここでは公式として使います.以上より

となり,
の導関数が
であることが導かれました.
三角関数の導関数は重要な性質をもちます.それは,2階微分すると関数の形は変わらず, 符号だけ反転するという性質です.つまり,

ということです.実数の範囲では,このような性質をもつ関数は三角関数だけです. この性質により,三角関数は単振動の方程式

の解になっています.上式に
を
代入して計算すると両辺が等しくなるので,確かに解(特解)になっていることが確認できます.