「テイラー展開すると…」なんて言葉が教科書によく出てきます. これはテイラー級数で表す,という意味で使われています. その頻出するテイラー級数を,簡単に紹介します.
つぎの無限級数
を関数 の におけるテイラー級数といいます.
主に有限の で展開を止めて近似式として用います. たいていは1次か2次程度で近似します.テイラー級数で のもの,すなわち
をマクローリン級数といいます.でも単にテイラー級数と言った場合も, このマクローリン級数を指すことが多いようです.
例として, の でのテイラー級数(マクローリン級数)を見てみます. 素直に公式に当てはめると
ここで
ですから,
となります. の微分を繰り返すと分かるように, この先もずうっと偶数番目の項は消え, 奇数番目の項がプラスマイナスを繰り返しながら残るので,結局
となります.この右辺のように数列の無限個の和で表されるものを「べき級数」と呼びます. この例で をべき級数に変形したように, ある関数をべき級数で表すことを「べき級数展開」と呼びます.