行と列が一致している行列 ( 行列) のことを正方行列と呼びます.正方行列は
という特徴を持っています(ただし,これらが定義できない特別な場合もあります).
左上から右下への対角線が全て 1 で, 他の成分が全て 0 の正方行列を単位行列といいます. 単位行列は普通, という記号で表します.例えば 正方行列の単位行列は
で, 正方行列の単位行列は
となります.
また,どんな 正方行列に 単位行列を掛けても変化しません. つまり,正方行列を とすると
がいえます.この性質は数字の 1 と同じです.どんな数に 1 を掛けても,変化しませんよね.
行列の逆数に相当するのが逆行列です.正方行列 の逆行列を とすると
が満たされます.ここで はさきほどの単位行列です.普通の数字で例えるなら
ということと同じようなものです.
正方行列
の逆行列は以下の公式から求められます.
このように の逆行列は と書きます.読み方は「えーいんばーす」が一般的です.