物理を学んでいると,頻繁に出てくる積分というのがあります. その一つが ガウス積分 です.
ガウス積分とは,つぎのような式で書かれる積分のことです.
ここで は実数, は正の定数です.
ふつうガウス積分は,公式として扱われることが多いです. ガウス積分の公式はつぎのようなものです.
いくら公式だとはいっても,一度は本当にそうなることを確認しておきたいものです. この公式の証明は院試で頻出ですので,その道を目指す方は覚えておくと良いでしょう.
まず,左辺の積分値を とします. は被積分関数の関数形から,定義域が であることがわかります. は,
と書いても,
と書いても,積分値に変わりはありませんね.
したがって,
と変形していくことができます.
ここで , と変数変換をします.また,無限遠で積分領域を矩形から円形へと変形します.被積分関数が無限遠で速やかに0に収束することから,このようにしても積分値は変わりません.すると (3) 式は,
と書けます. については積分を実行することができて,さらに式変形をしていくと
となります.ただし 2行目から 3行目で見やすいように,積分変数 を に置換しています. なので,正の値のみをとって
となり,ガウス積分の公式を得ることができました.