外積代数に関して重要な事柄は,ここまでの記事でほとんどですが, ホッジ作用素 に関する公式だけ,少し補足しておきます.
以下の議論では,空間の向きを保つとします.(つまり,右手系⇔左手系を途中で入れ替えません.)さて,一般のウェッジ積の次数に関し,
ベクトル
と
ベクトルのウェッジ積
について次の関係がなりたちました.( ウェッジ積について補足 を参照して下さい.)

これを基底
に適用すると次のようになります.ただし,
は
の基底,
は
の基底とします.

一方,ホッジ作用素の定義式より,次式が言えました.空間の計量が分からないので,右辺の内積はそのままにしておきます.

式
で
と
を入れ替えると次式を得ます.

そこで,式
を見比べて,次式が得られます.これは言わば,ホッジ作用素の逆作用を表わす式だと言えます.

式
より,ホッジ作用素を二回連続して作用させる場合の表式を得られます.(いま,基底としては正規直交基底を考えていますので,
となることに注意して下さい.)

基底の内積
は, p-ベクトルの内積 で定義したように,
の基底のうち,計量がマイナスとなる基底の個数に応じて
のどちらかの値を取ります.これで,ホッジ作用素を二連続で作用させた場合の公式が得られました.ボリュームフォームの内積は,
の基底で計量を負をするもの(例えばミンコフスキー空間の時間軸)の個数を
として,
と書けますので,式
は次のようにまとめられます.(符号定数
を使って
としても同じです.)
theorem

ホッジ作用素に関して,もう一つ定理を補足しておきます.
に属する二つの元
に対し,次式が成り立ちます.
theorem

proof
を
と書くとき,定理の両辺を
にしないのは,
の基底が
を含まないときだけです.( ホッジ作用素 の記事を参照して下さい.)このことは,裏を返せば
の基底が
だということです.そこで,
と書きます.
と,構成する基底を重複しない
の基底を
と書きます.このとき,
と変形できますが,さらに式
を用いて
と変形されます.これで定理が示されました.■