光が進む距離を表す言葉には,「行路」と「光路」の2種類があります. どちらも「こうろ」と読むためか,「同じもの!?」と思いがちですが,実は別物です. その違いを説明していきます.
屈折率 の物質Aを考えます.今度は光の進む速さが変わりますね. 屈折の法則 より, この物質中での光の速さ は,
と求まります.
長さ を進むのにかかる時間 は,
と書けることが分かります.(1)と(2)を比較してみると, 物質A中を走る光の距離が,真空中での距離 に相当することが分かります.
光の走る距離,すなわち のことを「行路」と呼び, つまり「屈折率 行路」のことを 「光路」と呼びます.光路は真空中の光にとっての行路ということになります(真空中を進む光では,「行路 光路」となります).