ここまでに,スカラー関数の線積分と,ベクトル場の曲線に沿った線積分を考えました.
ベクトル場の線積分には,他の形もあります.式 は,積分の中身が内積の形になってものでしたが,線積分というのは,曲線に沿った積分領域を考えるということであって,被積分関数には色々あって良いのです.三次元ベクトルで基本的な演算には,内積の他にスカラー積と外積がありましたから,以下のような線積分を考えることもできます.
ポテンシャルという概念との相性の良さからか,物理の問題によく出て来るベクトル場の線積分の多くは式 の内積形ですが,この際,線積分には他にも色々あることをまとめて覚えてしまいましょう.一度に並べて眺めてみると,数学的には見通しが良くなると思います.
[*] | 上記の つで,スカラーとベクトルの組み合わせとして『スカラー スカラー』『スカラー ベクトル』『ベクトル ベクトル』『ベクトル スカラー』『ベクトル ベクトル』を網羅していることを確認してください.『ベクトル ベクトル』なんていうのを知っている人もいるかも知れませんね.実際,そんな量の線積分を考えることも出来ます.いろいろあります. |
既に スカラー関数の線積分 で触れましたが,積分区間(つまり曲線)をパラメーター表示すると,実際の計算は簡単になります.合成関数の微分公式を使いましょう.