結晶学とは

結晶を表す英単語“crystal(クリスタル)”とは,もともと水晶のことです. 水晶ってみたことありますかね. なんていうかこう,結晶って形をしています(よくわからないですか). あまり関係ないですが,北アルプスには水晶岳という山があります. そこへ登ったことがあるんですが,本当に水晶らしきもののカケラがいっぱい落ちてました. でも小さいのしかありませんでした.大きな水晶はもう採りつくされてなかなか見つからないようです.

水晶に限らず結晶というものはたくさんあります. たとえばダイヤモンド,ルビーなどの宝石もそうです. 濃い食塩水を冷やすと食塩の塊ができますが,それも結晶です. 阿蘇山の山頂に行ったときに,なにかの金属の結晶を売っているテキ屋のおっちゃんを見たことがあります. 鉱物について詳しくないので名前は覚えてませんが,きれいな形をしていました.

結晶というものはきれいな,幾何学的な形をしています. 正確な平面と稜線に囲まれた多面体になっています. このよう形は内部の原子配列がそろっているためで,このような結晶は単結晶と呼ばれます. 結晶学は単結晶の外形の研究から生まれました. その研究とは,結晶が成長するときに現れる面の角度の測定です. 研究が発展するにつれて,外形だけでなく結晶内部の対称性や構造の研究へと発展してきました. そしてある規則性が分かりました.

結晶は対称性をもっていて,対称性によって8つの対称要素, 32個の点群に分類できることが分かったのです. さらにそれらを結晶系というものに分類すると7個あり, それらは14個のブラベー格子からできていると考えることができるます. さらにさらに,すべての結晶は230個の空間群に属しているということが分かりました. その空間群というのは,点群にブラベー格子,らせん軸,映進面を加えたものです.

なんだかよく分からない単語がたくさん出てきてよく分かりませんが, 結晶の研究から分かったこれらの規則は,本物の結晶に止まることなく, 繰り返しのある系にならどんなものにでも適用できます. 2次元の場合には壁紙やカーテンなんかの繰り返し模様がその例です. Webページによくある壁紙のテクスチャも繰り返しの例ですね.

結晶学は幾何学的な要素もあって,僕はあまり得意ではないんですが, まずは結晶の対称性についてみて行ったりすると,割と面白い部分もあったりします.