ヤングの干渉実験2

ヤングの干渉実験1では,実験の内容と,明線条件・暗線条件について学びました.ここでは,実際に行路差を計算し,さらに詳しく実験を見ていきます.

行路差の計算

ヤングの干渉実験の装置は,以下のようになっていました.

tomo-young-fig7.png

ここで, S_1O=S_2O=\frac{1}{2}d, S_1S_2\ll OO'=L, O'P=x とします.

では,実際に行路差を計算しましょう.三平方の定理から,

S_1P=\left\{L^2+\left(x-\frac{d}{2}\right)^2\right\}^{\frac{1}{2}}
S_2P=\left\{L^2+\left(x+\frac{d}{2}\right)^2\right\}^{\frac{1}{2}}

と分かります.したがって,

S_2P-S_1P &= L\left\{1+\frac{(x+\frac{d}{2})^2}{L^2}\right\}^{\frac{1}{2}}-L\left\{1+\frac{(x-\frac{d}{2})^2}{L^2}\right\}^{\frac{1}{2}} \\               &\simeq L\left\{1+\frac{1}{2}\cdot\frac{(x+\frac{d}{2})^2}{L^2}\right\}-L\left\{1+\frac{1}{2}\cdot\frac{(x-\frac{d}{2})^2}{L^2}\right\}\\               &= \frac{xd}{L}

と求まります( X\ll 1 のときに成り立つ (1+X)^n\simeq 1+nX という近似式を使っています).

暗線条件式と明線条件式

したがって, m=0, 1, 2, \cdots として,明線条件式は,

\frac{xd}{L}=m\cdot\lambda

暗線条件式は,

\frac{xd}{L}=\left(m+\frac{1}{2}\right)\lambda

となります.

{\rm SO}=L' とします.光源を距離 x' だけ上にずらしたときの,明線条件式と暗線条件式を求めなさい.

隣り合う明線の間隔

隣り合う明線の間隔 \Delta は, m+1 番目の明線の x の値から, m 番目の明線の x の値を引けばよいですから,

\Delta=\frac{L\lambda}{d}(m+1)-\frac{L\lambda}{d}m=\frac{L\lambda}{d}

となります.

隣り合う明線と暗線の間隔 \Delta' を求めなさい.