光電効果は,光が粒子としての性質を持つことを示す現象の一つです. ドイツの物理学者ヘルツは,1800年代後半,陰極の金属に紫外線を当てると放電が起こりやすく なるという発見しました.のちに「光電効果」と呼ばれる現象です.その翌年,同じくドイツの 物理学者ハルバックスは,負に帯電した金属に紫外線を当てると,その負の帯電がなくなる ことを発見しました.1900年代に入り,同じくドイツの物理学者レーナルトは, 放出されている粒子の比電荷を測定し,それが電子であることを確認しました.
まずは,簡単な実験装置を例に挙げて,光電効果がどのような現象であるかをみてみましょう. 箔検電器の上に金属板をのせて,全体を負に帯電させておきます. この時,箔も負に帯電していますので,静電気力(斥力)が働いて開いた状態になっています.
次に,この金属版に光を当てます.
すると,光を当てる前は開いていた箔が閉じます.箔が閉じたということは, 負に帯電していた箔が帯電していない状態になったことを意味しています. 負電荷はどこへ行ってしまったのでしょうか?
これが光電効果です.箔にたまっていた負電荷は,金属版を通って,飛び出していったのです.
上に示した実験装置では,金属板に光を当てると,そこにたまっていた負電荷がどこかへ 行ってしまうことが分かりました.しかし,
ということが分かりません.そこで,これらを調べるために,以下のような装置を考えます.
金属板に振動数 の光を当てると,飛び出してきた電子は電極に集められることになります.
金属板に対する電極の電圧を変化させ,電流計に流れる電流を測定します.
電圧を下げていくと,電極に達する電子の数が減り,電流も減少していきます.
電流が
になった時の電圧
も測定します.
ここまで,光電効果がどのような現象であるのかを,2種類の装置でみてきました. 光電効果は,金属の種類や,金属板に当てる光の振動数によって,何か違いがあるようですね. 次の 光電効果2 では,上に示したグラフの意味を考え,光電効果をより詳細に探っていきます.