波動関数の規格化

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規格化とは

1次元空間中の1個の粒子の運動を表す波動関数 ψ(x,t) は,粒子そのものではなく, 多数の実験を行った場合に粒子が見出される確率を表します. 波動関数は文字どおり波ですが,粒子が観測されるのはあくまで点としての場所でだからです.

波動関数 ψ(x,t) は一般に複素数の値をとりますが,その絶対値

$\displaystyle \vert\psi(x,t)\vert^2 = \psi^*(x,t)\,\psi(x,t)$

は正の実数になり

$\displaystyle \vert\psi(x,t)\vert^2dx$

は時刻 t に粒子を位置 x の微小領域 dx に見出す確率を表します.そのため,通常

$\displaystyle \langle \psi\vert\psi \rangle = \int \vert\psi(x,t)\vert^2dx = 1$

となるようにしておきます.なんでかと言うと,確率とは全部の場合を足し合わせると 1 になるように定義してあるものだからです.この手続きを規格化といいます.

規格化の方法

波動関数の規格化を行うためには,まず全空間で波動関数を積分します. その値が a であったとしましょう.

$\displaystyle \int \vert\psi(x,t)\vert^2dx = a$

これを規格化するには両辺を a で割ればいいことになります.

$\displaystyle \frac{1}{a}\int \vert\psi(x,t)\vert^2dx = 1$

これは

$\displaystyle \int \frac{1}{\sqrt{a}}\psi^*(x,t)\,\frac{1}{\sqrt{a}}\psi(x,t)~dx = 1$

と同じことですから,結局,全空間での積分値のルート分の1を波動関数に掛けたものが 規格化された波動関数だということになります.

規格化された波動関数: $\displaystyle ~\frac{1}{\sqrt{a}}\psi(x,t)$ (a は全空間での |ψ|2 の積分値)
 

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