フラウンホーファー回折の物質波の位相一致の原因とは?

退化分布の確率と太陽系の共鳴の構想の断片

 初めて参加するので要領が分からず,自己紹介と研究が区分できず1度目の投稿をやっと済ませました.  その投稿で,すでに拙著の退化分布の確率と太陽系の共鳴2019-12-25がhttp://hooktail.org/wiki/に搭載されてご覧になれるはずです.それに添付したファイル:退化分布の確率と太陽系の共鳴.pdfをご覧になっていただけたでしょうか?  その構想を補強するためにあらたに加えた現象の紹介が今回の「フラウンホーファー回折の物質波の位相一致」です.

退化分布はどのような時に起きるか

 退化分布の確率と太陽系の共鳴.pdfのキーワードの一つは「ランダムな確率が退化分布になった位相」です.  それが前回に添付したpdfに書かれています.  その現象の事例を紹介しましょう.

 たとえば電子波がトンネルする界面に起きる現象があります.  トンネル現象の界面に起きる電子波の位相の退化分布の存在は物理学の基礎課程で43年前に学部で習いました.  波動の位相を特定にしたランダム性を排した退化分布に確率をさせるもうひとつの現象は,半月前に見つけたばかりですが,フラウンホーファー回折です.

 しかし皆さんは誰一人それに気が付いていません.  ランダムな位相の光源からフラウンホーファー回折には確率を退化させ特定の位相を持った光波をスクリーン上の空間に作り出しています.  現実に存在していると明確に確認していただくのが今回の主題です.

ただ一つの量子で干渉や回折が発生する学会説?

 ただ一つの量子が分割した時点は分割された物質波はそれぞれの位相が同一です.  だから波動が干渉や回折の明暗縞をスクリーンに生むでしょう.  学会の大多数意見は続けて次のように主張します.  「そのとき光源の位相がそろっている必要はありません.  なぜなら同じ一粒の量子を切り分けたので,同一の位相を持つ波動が生まれたからです.  波の干渉という説明は,現在では便宜的説明とされています. (でもその説を採ると,ただちに光と電磁波のマックスウェルの波動方程式の存在意義を無碍に貶めることになります.屈折も伝搬も説明ができなくなるのです.)

 単色光でない場合は,明暗が重なり合って,判別できないので,単色光で実験するだけで,単色光が干渉の条件ではありません.  干渉は複数の光束を重ね合わせる現象なので,何がしかの分割が必ず必要です.

 ところで回折は量子の届かぬ障害物の陰に回り込んでいる波動の現象です.  回折も干渉と基本的に同じ話で,一つの光子がスリット等を通過後回折像の形の波動関数を形成する.  これを電子でやってみせたのが有名な電子線バイプリズムの実験です.  同時の時点にたった一つの電子の粒しかバイプリズムを通過しなくても干渉縞が形成される.  光子も基本的に量子力学的な粒子なので,振る舞いも電子と同じであろうと考えられている.」 というのです.

 でも学会多数派のご意見は悉く大きな大きなとてつもない誤りなのです.  「誤りを知り,認知を正す」ためにこの投稿を作りました.

干渉と回折の要件の考察

 光の干渉現象を習う時,単色の光源ひとつからふたつのスリット孔を通り抜ける時に限ってスクリーンに縞模様の明暗が生まれるかのように論理を張る説明が教科書にあります.それは数学的な論理で理解しやすい話です.  明暗は逆振幅の相殺または加算による倍という波動の振幅についておきる足し算という説明でした.  その条件では相殺や倍の現象にはその光源に位相の同一な波動が必要です.  それ以外に相殺は発生しません.

 たとえば位相合同の典型事例として一粒の量子を割る話があります.  浜松ホトニクス社の1982年,光子1個分以下にまで弱めたレーザー光による2重スリット干渉では量子1個が2分割されて生まれた位相の揃った光波から干渉が起きたとされています.  でももしたった1個の量子だけで干渉するのなら,一粒は常に干渉が発生する事になり,干渉の起きていない一粒がこの世界に存在できなくなります.

 そしていかなる場合も干渉がただちに表れねばならないので,すなわち光子の波動性が正面の座を占め,光子の量子性や波動性の2重性がただちに否定されるのです.  量子なら障害物に阻まれるはずの位置に,慣性運動後の量子が姿を現してしまうという矛盾が起きるのです.  学会大多数の意見は2重性を主張したのに自分で足元をぬかるませ,2重性には根拠が無くなったのです.

 そして量子は,量子ではなく空間にいきわたる平面波の波動としての性質から,スリットに分けられた経路の本数だけ,小さく細分に分割される性質を否定できなくなります.

 たとえば日立の外村彰先生の電子一個で行った電子線バイプリズムの実験で,たしかに外村先生の電流は空洞体積に,量子よりも小さい電流密度の直流が安定して供給されたのですから,その電流を超えた値の必要な量子は装置内にいっときも存在せず,量子単位よりも小さな小数に分割されたことが否定できません.

 このように量子が小数に分割されて干渉したことから,整数の個数が否定され,学会大多数が量子性を主張したことになんの根拠すら無くなってしまったのです.

 そして数学の妥当性と別な事実認識についてにさらに疑問があります.  明暗は逆振幅の相殺または加算による倍という波動の振幅についておきる足し算という説明でした.  その条件では相殺や倍の現象にはその光源に位相の同一な波動が必要です.  それ以外に相殺は発生しません. ところが,その条件をみたさない不思議な干渉が起きるのはなぜなんでしょうか.

 フラウンホーファー回折がそれです.  学会大多数のご意見にはフラウンホーファー回折の説明ができぬ大きな欠陥があります.

 2重スリットや位相の同期を必要としない干渉と回折の現象のあることから,なぜ2重スリットや位相の同期がなぜ不要なのか考えてみると,フラウンホーファー回折の単孔にその原因となる作用があるのです.

 たとえば単色光はレーザーではないから波動の位相は光源においてランダムです.  位相がバラバラの波動なので干渉も回折も観察ができないはずの光源です.

 ところが単色光または白色光からフラウンホーファー回折が発生します.  たくさんの光子が通り抜け,多数の振動数や位相が揃ってない光から明暗の縞模様がスクリーンに表れ回折という現象が起きる事実があるのです.  そしてそのフラウンホーファー回折の物理学,光学による説明の論理は単色の光源でしかなかったのに,都合を合わせて位相の同一な光波から数学を演算した説明です.  単色光に果たして何が作用して位相の同一な光波が生まれているのでしょうか.

 論理の通りなら位相がバラバラの光波の単色光源からは重ね合せの光に相殺の暗闇は生まれません.  それはサーチライトを何台か使って,スクリーンの同じ場所を照らすと,必ず重なりは明るくなり,重なりに暗くなる部分が決して生まれぬ事で確かめられます.

 さらにフラウンホーファー回折の装置構成は2重スリットではありません.単孔です.  おまけにただ一個の量子の分割から生まれた縞模様ではありません.  多数の位相の異なる光子が同一の明暗縞模様をスクリーンの付近の空間に作ります.  このままでは2重スリットに生まれる干渉の数学的論理による理解は全くのイカサマ,詐欺なのです.  少なくとも数学を使った錯覚をもとにした,すり替えマジックが授業に行われています.

 単色光や白色光は位相の揃った波動を成分にしていません.その単色光からフラウンホーファー回折では光の重ね合せの有るスクリーンに明暗縞模様を作り回折します.だから物理的に必要な条件ではありません.  フラウンホーファー回折ではただひとつの孔を通っただけの光から干渉縞ができます.したがって2重スリットは物理的に必要な条件ではありません.

結論

 位相の揃った波動 2重スリットによる波動の分割という条件の二つともが否定されたので,すなわち位相と2重スリットは干渉回折にとって物理的に必要ではありません.

 光子を分割するには波面分割と振幅分割の二つの手段があり,前者が2重スリットを,後者がハーフミラーを使うといいますが,フラウンホーファー回折現象の装置には2重スリットもなければ,ハーフミラーもありません.したがってフラウンホーファー回折の光波は波面分割でも振幅分割でもありません.

 考察の結論として単孔があると,トンネル界面と同じ様な働きをして,位相に対するランダムを鎮めて特定値の位相に波動をさせる働きが生まれるのです.