剛体の回転シーリズ第7弾です.前の記事は 加速度座標系と慣性力 です. 次の記事は テニスラケットの定理 です.
オイラー方程式を導きます.オイラー方程式というのは, 回転する座標系からみた,回転の変化を調べる方程式です. 角速度 で回転する座標から見た角運動量は ベクトルですので, 加速度座標系と慣性力 で 導いた式 を適用できます.
つまり,任意のベクトル に成り立つ式
で, [*] に角運動量ベクトル を代入してやって,
[*] | とは,回転座標系からみた見かけの変化ベクトルでした. |
ここで, 慣性モーメント で書いた 慣性主軸を座標系として採用すると,
よって,
ここで, 角運動量 の式 を思い出しますと ,
となります [†] .
[†] | ここで, 加速度座標系と慣性力 の式 の次にくる式, を用いました. |
長くなったのでこの式をもう一度書きなおすと,
となります.この式 をオイラー方程式と呼びます. 次回は,このオイラー方程式を用いて, テニス・ラケットの定理と言うものを導きます.
ちなみに慣性主軸以外の静止座標系(上の議論と区別する ため をつける.)から見た回転の方程式は,
となりますが,慣性モーメント が時間変化するため, 複雑になってしまいます.
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