行列をベクトルの集合と見た時の積の表現方法について書きます. 短い記事です.
まずは一つ目,おそらく,これは皆さんよくご存じだと思います. 3次の正方行列A,Bを,Aは行ベクトルの集合,Bは列ベクトルの集合と考えます. すると,普通のベクトルを列ベクトルとして,行ベクトルをその転置( )として,
と,このように各成分がベクトルの内積になります.
次は,3次の正方行列A,Bを,Aは列ベクトルの集合,Bは行ベクトルの集合と考えます. すると,
となります.最後の表現は少し説明がいるかもしれません.
これはダイアド(ダイアド積,ダイアディックともいう) と言うもので,
で定義されます.ベクトルを 等を使わずにただ並べる積です. 関連記事として, 続ベクトルの回転 , 正方行列の三連続積の展開 を挙げておきます. よかったら,そちらもご覧ください.
話はまだ続きます.では,A,Bともに列ベクトルだと見たらどうなるでしょうか? それは,
とこの様になります.二つとも行ベクトルとして見たときについては, ご自分で計算してみてください. 今度は,Bの行ベクトルの線形結合が積の行列ABの行ベクトルとなります. それでは,今日はこの辺で.お疲れ様でした.