自然界の言語

物理学には数学が不可欠です．自然現象を，数学という言葉で記述できることが物理学の利点だからです． 僕自身数学は得意ではありませんが，そうも言ってられません． 物理の道具として数学を使いこなしたいものです． 数学とか数式とか方程式とか聞くだけで，うわーイヤダッ，なんて思ってしまうものですが， 物理はもう，ホントにっ，数学抜きでは語ることができないのです（力説）．

計算は苦手，数学はアレルギーといった人は多いと思います． 僕もその一人です．できれば計算なんてしたくない． でも逆に，数学の理路整然としたところが好きで数学にはワリと愛着を感じてるんです， といった人も多いと思います．僕もその一人です．どっちなんだって言われそうですが．

僕は苦手だけど好き，好きになれたらいいな，得意になれたらいいなと思っています． 難しい数式をスラスラ解けたらなんたってカッコいいし． でもいまだに引き算はよく間違えますし，新しく覚えたこともすぐに忘れてしまいます． センター試験もI,AとII,Bを合わせて200点満点中90点くらいでした． 院試の面接でも「普段あまり計算しないんかね？」なんて言われるし．

もちろん，「普段はできるんですけどキンチョーしてできなかっただけです」と答えておきました． 面接ではハッタリも大切です．最低ですね，僕は．

物理での数学

それはともかく，数学って定義とか証明とかが教科書にずらずら並んでいて意味不明ですよね． 変な記号とかも多い．しかし物理，というか工学系での数学は， あまり細かいこと気にしなくてもいいようになっています（いるようです）．

あ，別にイイカゲンだというわけじゃなく，厳密な証明とか気にしないでいいから， 問題を解くための手段として数学を使いましょう，という方針が強いです． 純粋な数学の本と理工系の数学の本をみると分かるのですが，ちょっと雰囲気が違います． 方程式を解いたり微分や積分の計算をしたりすることには変わりないのですが，ちょっと雰囲気が違うのです．

純粋な数学についてほとんど知識がないので， ボロが出てはいけませんからこれ以上は言いませんが， 物理ではとにかく数式を表現手法として使います．そして推論の方法として使います． 物理に出てくる数式には，必ず物理的な意味があるので，それを見失わないことが大事です． 僕はいつも見失ってばかりですケド…．

物理法則は数式で書き表せることに最大の利点があります． 百の言葉よりも一行の数式の方が多くの意味をもつ場合があります． 自然という書物を読むために，数式という言語を身に着けたいものです．