小ネタです.まだとくに計算が楽になる応用もありません. 「こんな表現ができるんだ.展開の時,対称性が崩れた過程を経ないね」程度に思っていただければ成功です. もしよかったら何かに使えたら報告していただけると嬉しいです. 欲しい記事に投稿するか,私クロメルの紹介ページのアドレスからメールでお願いします.
行列 ,
,
の三連続積を考えます.
簡単のため三次正方行列の場合を考えます.
まず,行列 と
の見方を変えます.
ここで行列を,ベクトルの集まりとして見方を変えました.
は列ベクトル,
は行ベクトルを表します.
これで準備は完了です.三連続積を展開しましょう!
ここで上の式変形の最後の行に使ったダイアドを知らない方の為に説明しておくと, は,
ダイアドと呼ばれるもので,
という積です.
この記法は,もっと高次の場合も同様に,四次なら16個のダイアドの和,五次なら25個のダイアドの和となっていくのです.
ひとつ注意しておくと,これは展開する際に組になるベクトルと行列要素の位置を
実際に一度は展開してみて確認しておくことをお勧めします.
真ん中の の非対角項を含む組がちとやっかいです.
追記:真ん中の を単位行列
に変えてもおもしろいですね.