二次元フーリエ変換ってありますよね.僕が今まで見たことあるものは, 全て2つの変数が直交したものでした.そこで,今回2つの変数が斜交座標を なしている時のフーリエ変換を考えます.
この記事の結論から書くと,
に対して,次の で斜交座標系でのフーリエ変換を定義すると,
と,普通の二次元フーリエ変換の波数 がそれぞれ で置き換えられたものとなり,更に逆変換は次のようになります.
が成立します.
ここで,
を用いました.さて,ここで
と置きます.すると,
です.つまり,
を使って,
ですから,
となります.よって,
が言えました.この積分の微小要素 は符号付きで あります. 方向を反時計周りに90度回転すると 方向となる. この時積分素 は正になります. についても同様です.
また,波面に垂直なベクトル を に原点を中心に回転して 方向を重ねる時, 反時計回りに回った方が早い場合, であり, 時計回りに回った方が早い場合, です. なお,この とはベクトル と から作られる平行四辺形の面積の事です.
今回ここで示した定理は不思議な事だと思うのです. 直交した2方向のフーリエ変換と斜交した2方向のフーリエ変換は 波数空間では少し違ったものになりますが, もう一度フーリエ逆変換を施すと,定数倍の差こそあれ, 元の関数に戻ってくるのです.最初に試みた時は, 複雑な計算になってしまうだろうと思っていましたが, 実際やってみると,すごく簡単でした.
ここで示せたことを簡単に言葉で解釈するなら, 今までの二次元フーリエ変換では,二次元の関数を の基本的な波(基底)に分解していましたが,実は, の様には直交していない基本的な波(基底) でも,定数倍の差こそあれ,きちんと表現できるという事です.
今日はこの辺で,お疲れ様でした.