どうも,間違いを修正してみました.これなら,つじつまが合いそうです.
電荷が作る電場は,尖ったものの先端において,大きくなり 電子を放出しやすくなります.どんな電界が生じるのかを 書くことにします.
簡単のため,下図の様な二次元極座標 で考えます. クサビ型の金属で奥行きを 方向としてもらって構いません. 金属表面は等電位面であります.しかし,表面電荷はそんざいします.
真空におけるラプラス方程式は,
ここで,変数分離法を用い, 方向と 方向の常微分方程式に還元してやります. つまり, と仮定して,式 に代入するのです. すると,
両辺 で割って,移項すれば,
これは,左辺が のみの関数,右辺が のみの関数なので, の式ではなく, の式でもなく, これは実定数 の二乗 [*] に等しいことが分かります.
[*] | が負だと 方向の方程式が,虚数の解をもつことになるので,物理的に意味のない方程式になります. |
よって,この式は,
式 は,単振動でお馴染みの式ですね.これをとくと,
境界条件 の時, , とします.つまり, , となります.
これで, 方向は解けました.次は動径方向です. と仮定すると,式 より,
よって, が得られます.正負の符号の内, 信じられないかもしれませんが,無限遠で発散する が求める解であります. これは,原点近傍のみで有効であります. この正の解を取る理由としては,例えば, の時を考えてください. xy平面の下半分が金属という状態です.この時, となり, 本来,平面状の一様な面電荷が作る電場は,面に垂直で距離を変えても一定の大きさとなりますよね. つまり,例えばポテンシャルとしては, のような形をしています. よって,ここで となります. これは, とすれば,見事に,
となる訳です.ここで, だった, クサビの尖り具合をしめす は,連続的変化で となれますから, 結局, とした時,
となり,原点近傍において の方向に, の大きさの,電場の発散が起きることが分かります. これが,尖ったものが静電気を放電しやすい原理です.
それでは,今日はここまで.