パーセク (parsec)

ここでは天文学に出てくる「パーセク(parsec)」という単位について説明します.

パーセクとは

パーセクは音だけ聞くと「パー セック (per sec)」つまり「1秒間あたり」と聞き間違えてしまいそうな単位です. しかし,パーセクは距離(長さ)をあらわす単位です. parallax (視差) と second (秒) を組み合わせて作られた語です. 1 パーセクは約 3.09 \times 10^{16} \unit{m} で, 1 pc と書かれたりします. pc は parsec の略です.

どんな定義なのか?

1 pc は 3.09 \times 10^{16} \unit{m} などととんでもない大きさの距離を表す単位ですが,どのように定義されたのでしょうか?

Important

地球から見て 視差 が1秒となる太陽と星の間の距離を 1 pc とする.

parsec-300.png

つまり地球の太陽の周りの公転により生じる 視差 を利用した定義になっています. 図中の 1 AU というのは太陽と地球の間の距離で,AU は 天文単位 です.

光年との関係

パーセクは天文学を勉強したことのない人にとっては馴染みの薄い単位だと思います. どちらかというと「光年(light-year)」のほうが良く知られているのではないでしょうか. 「光年」は光が1年間に進む距離です.1 光年は約 9.46 \times 10^{15} \unit{m} で, 1 ly と書かれたりします.ly は light-year の略です. パーセクを光年に直すと, 1 \unit{pc} = 3.26 \unit{ly} という関係があります.

太陽系からもっとも近い恒星がだいたい 4.3光年の距離にあり,それをパーセクに直すと約 1.3 pc です. このようにパーセクは太陽系から比較的近い星の距離を表すのに便利な単位になっています.

参考文献

  1. Wikipedia