天文単位 (AU - Astronomical Unit)

ここでは天文単位 AU について解説します.

天文単位

「天文単位」は距離を表す単位です. 1 天文単位は約 1.5 \times 10^{8} \unit{km} = 1.5 \times 10^{11} \unit{m} で, 1 AU と書かれます. AU は Astronomical Unit の略です.

何を基準に決めたのか

1 AU は地球と太陽の間の平均距離を 1 として決められました.つまり地球から太陽までの距離は 1 AU です. [*]

au.png
[*]厳密な定義はもっと複雑で,地球と太陽の間の平均距離は 1.000 000 031 AU です.

何が便利なのか

さて,わざわざ AU などという単位を導入する意味はなんなのでしょうか.

表に太陽系の主な惑星までの距離をあげてみます.

太陽系の距離
天体 距離(天文単位) 距離(億km)
水星 0.3871 0.579
金星 0.7233 1.082
地球 1.0000 1.496
火星 1.5237 2.279
木星 5.2026 7.783
土星 9.5549 14.294
天王星 19.2184 28.750
海王星 30.1104 45.044
冥王星 39.5399 59.152

表の2列目は太陽からの各天体の距離を天文単位で表したもの,3列目はそれらを キロメートルを単位として表したものです. どの天体も「メートル」単位で表すと莫大な数字になってしまうことがわかりますね. しかし天文単位で表すと,我々の慣れている数字の範囲 (10 とか 20 とか) で各天体の距離を表すことができます. [†]

また,太陽と地球のあいだの距離を基準としているので,火星は太陽と地球の距離の何倍の半径の軌道をまわっているのかなどがすぐにわかります.

PIA02973.png

上のように「天文単位」は太陽系スケールの距離をあらわすのに便利な単位になっているのです.

[†]ここであげた距離は正確には「軌道長半径」と呼ばれるものです.